猫があくびをする様子はかわいくて癒やされますよね。
でも、どう考えても眠くないときや心配になるようなあくびをすることも。
飼い主からすると「なぜ今?」「眠いの?」「なにか理由が?」と感じるもの。
このページでは「猫」が「あくび」をする「意味」について5つの項目で解説。
- あくびにある心理3つ
- 人間のあくびは移るのか
- シーン別に見るあくびの意味
- 異常なあくびの見分け方
- 病気の可能性があるあくび
記事を読むことで、あなたの飼い猫がどんな理由であくびをしているのかハッキリわかるようになりますよ。
- 猫のあくびには4つの心理がある
- 人間のあくびは猫にうつる?
- 猫があくびをする7の意味
- 猫の健康なあくびと異常なあくびの違い
- あくびが出る猫の病気
- 猫があくびをしないときも注意
- 猫のあくびはいろんな意味をもつ
猫のあくびには4つの心理がある
人間であればあくびは生理現象。
眠気のため酸素を取り入れるという働きのみです。
しかし猫のあくびはそれだけではありません。
以下のように4つの理由からあくびをします。
- 生理現象として
- カーミングシグナル
- 飼い主に気持ちを伝えたい
- 体調が悪い
生理現象としてのあくび
猫があくびをする理由の1つめは生理現象として。
あくび本来の目的は脳に酸素を取り入れること。
猫ちゃんに限らず、動物がするあくびの大半はこの原因です。
寝起きの前後にしている場合は自然な反応といえるでしょう。
ストレスや緊張を和らげるあくび
猫があくびをす理由の2つめは「カーミングシグナル」として。
カーミング(落ち着かせるシグナ(合図、信号)
=自分を落ち着かせるための行動を指し、転移行動とも呼びます。
あくびの他にも、唐突な毛づくろいや目をそらすのもカーミングシグナルのひとつ。
緊張やストレスを感じたときに「自分の気をそらす行動」とされています。
気持ちの表現として
猫があくびをする3つめの理由は「気持ちの表現」として。
猫は言葉を持ちませんが、その他の言動によって飼い主さんに様々なメッセージを発しているもの。
退屈を訴えたり、甘えたり、ご飯を要求したり…
「気分であくびを出している」と考えればわかりやすいでしょう。
悪いあくび
最後は「病気の可能性」です。
あくびは病気の信号として出ていることも。
見分け方はこの後に記載しますが、様子をみておかしいようなら獣医さんに見てもらうようにしましょう。
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人間のあくびは猫にうつる?
「自分があくびをしたら猫もあくびをした」
こんな経験はありませんか?
「猫もあくびにつられるのかな」と思うかもしれませんね。
人間のあくびは猫にうつるのかというと、移ります。
詳しくは解明されていませんが、生活を共にする飼い主さんに共感してあくびをする猫もいるんだとか。
個体差があり、うつりやすい猫と移りにくい猫もいます。
また、猫同士でも行動を共にしている方が移るという研究結果もあり。
あくびは共感することでうつるそうですが、そうなると猫にも共感力が備わっているのかもしれません。
猫があくびをする7の意味
ここからはより詳しく、シチュエーション別に猫のあくびが持つ意味を解説。
様々なシチュエーションがありますが、原則的にはさきほどお伝えした4つのどれかに該当します。
↓
- 生理現象として
- カーミングシグナル
- 飼い主に気持ちを伝えたい
- 体調が悪い
寝起きに伸びながらあくび
寝起きに伸びをしながらあくび。
よく見る光景かと思いますが、これは「生理現象」
酸素を取り込んで「これから行動するぞ」となっている状態です。
寝起きに限らず、なにかをするときや行動を切り替えるとき、人間が「よしっ」と気合いを入れ直すように、猫はあくびをします。
あくびしながら鳴くとき
猫がこちらに見せるようにあくびをして、さらには「にゃー」と鳴くときがあります。
これは3の「なにかを訴えているとき」
- お腹がすいた
- 退屈で遊んでほしい
- 甘えている
- 怒っている
- 安心している
などなど。
なぜあくびを見せて訴えるのかなのですが、飼い主さんに鳴きながらあくびをしたときに反応してくれたことを覚えていて、それを繰り返してる可能性があるそう。
目の前で鳴きながらたくさんあくびをするときは眠いのではなく、ほぼ確実になにかを訴えているのでしょう。
怒っているとしても威嚇としては軽い方で、「いまは1人にしてよ」程度のもの。
このタイミング構ってしまうと軽めに噛むこともあります。
なにを訴えているかは、猫ちゃんの様子を見ながら判断しましょう。
近づく・目が合うとあくびされる
近くで目が合うとあくびをするときは、3つの可能性があります。
- 緊張からくるカーミングシグナル
- 飼い主に対する愛情表現
- 嫌がっている
猫の世界では、基本的に「目を合わせる」というのは威嚇行動。
「ガンを飛ばしている」ということになります。
そのため、目が合った際にピリッと緊張し、それを紛らわすためにあくびをした可能性がひとつ。
それとは真逆で、「あなたに敵意はないよ」という意味合いの場合も。
これは飼い主さんに対して「あなたと争いたくないよ」「安心してリラックスしてるよ」と伝えるため。
いずれにしても「目をそらす」に近い行動といえるでしょう。
近づいた際にあくびをするときは嫌がっている可能性もあります。
「今は触らないで」ということですね。
反対に「飼い主さんが近くにきてくれた」と嬉しい反応であるケースもありますし、「かまってー」というアピールなことも。
その他の細かい反応を見ながら判断したいところです。
目を開けながらあくびするとき
目を開けながらあくびをするときは緊張しているとき。
カーミングシグナルですね。
なにかしらのストレスを感じている状態なので、ストレスの元凶を取り除いてあげましょう。
撫でたらあくび
鼻や頭、背中をなでなでした際に出るあくびはリラックスのあくび。
気持ちよくて自然に出てしまうあくびです。
安心しきっている状態で、このときにも鳴きながらあくびをすることも。
名前を呼ぶとあくびで返事
話しかけるとあくびで返事をすることがありますが、これは「ほっといて」というサイン。
寝ているときなどに目を閉じたままあくびをしたなら放っておきましょう。
ただし、呼んだら近くに来てあくびをするようなシーンでは逆。
「構ってくれるの?」と気合いを入れ直して訴えているのかもしれません。
ブラッシング中のあくび
ブラッシング中のあくびは反応によって。
嫌がってそうならストレスによる訴えで、気持ち良さそうにしてたりブラッシング好きな猫ならリラックスのあくび。
ちなみにうちの猫はブラッシングをすると必ずあくびをして、その後毛づくろいをはじめます。
これは「触らないでよ」と怒っているサインです…
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猫の健康なあくびと異常なあくびの違い
様々な意味をもつ猫のあくび。
ほとんどは日常的なもので問題ありませんが、あくびは病気のサインということも。
とはいえ、それが普通のあくびなのか、それとも異常なあくびなのか見分けがつかないこともありますよね。
猫のあくびが気になった際、まずは以下3つのポイントを気にしてみましょう。
- 回数
- 音
- 臭い
回数
飼っていてもわかりますが、猫をあくびをたくさんします。
平均値はわかりませんが、1時間に1回はしているかなというイメージ。
そのため、多少頻繁にあくびをしていても問題はありません。
「よくするな」「増えた?」くらいであれば気にする必要はないでしょう。
あまりに連続でしていたり止まらないといった状態ならさすがに異常。
逆に言えば、回数はそのくらいの頻度にならなければ見分けがつきにくく、回数よりも他のポイントを気にするほうが肝要です。
音
猫があくびの終わり際に「カッ」と音を出すことがあります。
動画のように本人が平気そうならクセの範囲。
ですが、なかにはかみ合わせが悪く顎に負担がかかっているケースも。
歯の生え換わり時期に多く見られる現象ですが、成猫になってもあまり大きい音が出るようなら注意。
かみ合わせが悪いと歯槽膿漏や歯周病の原因にもなります。
臭い
猫のあくびは基本的に臭いです。
しかし、度を超して臭いがするケースだと歯周病や内臓疾患の可能性もあり。
他にも「よだれが出ている」「元気がない」などの症状がないか注意してみましょう。
あくびが出る猫の病気
健康のバロメーターでもある猫のあくびですが、以下のような病気の可能性もあります。
直接的にあくびが出るワケではないですが、間接的につながることも。
気になる際はひとつずつチェックしてみてください。
- 腎不全
- 猫風邪
- 車酔い
- 口腔内の異常
- 誤飲・誤食
- てんかん
腎機能の低下
腎臓病は老猫に多い病気。
腎臓の機能が低下すると老廃物を排出できなくなり、食欲の低下や口臭、嘔吐などの尿毒症を引き起こします。
あくびで言えば臭いが該当。
アンモニア臭が強くなっている場合は危険です。
猫風邪
猫風邪は鼻水や咳などの症状を引き起こす感染症の総称。
猫カリシウイルス感染症や猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)などが代表的です。
猫カリシウイルス感染症は口内炎を起こしやすいため、あくびをしたときに口臭を感じることがあります。
車酔い
病気ではありませんが、車酔いでもあくびが出やすくなります。
人間でも人によってはあくびを繰り返しますよね。
他にはよだれ・鼻水・落ち着きのなさが代表的な症状。
猫は車が苦手なので乗せないのも方法ですが、長距離を移動せざるを得ない場合はこまめな休憩と水分補給を心がけてください。
口腔内の異常
- 歯周病
- できもの
- 腫瘍
など、様々な口腔内の異常によってあくびが増えたり、臭いがきつく感じることがあります。
猫の口内はあくびをしたときにしか確認できませんので、こまめにチェックするように習慣づけておきましょう。
誤飲や誤食
誤飲や誤食によってもあくびが増えます。
あくびというよりはえづくような様子があり、飼い主からはそれが繰り返すあくびに見えたりするんですね。
食欲の低下やぐったりした様子がないか確認し、誤飲や誤食の可能性がある際には速やかに獣医に相談しましょう。
てんかん
てんかんは脳機能に異常がでる病気。
症状は様々で、
- 四肢をばたつかせる
- よだれが止まらなくなる
- あごを噛みしめる
- 大声で鳴く
- 排尿や排便
と度合いによってもケースバイケース。
あくびは軽微な発作で出ることが多く、すぐに収まることもあるため気づかないことも。
猫があくびをしないときも注意
猫があくびをしなくなった時も注意です。
さきほども解説したように、猫は日に何度もあくびをするもの。
それをしなくなったということは、回数が増えるよりも問題かもしれません。
- どこかが痛い
- 口を開く体力がない
- 異物が口内にある
「したくてもできない」という可能性もあり、猫にとってストレスになっている可能性も。
長い間あくびが出てないなと思ったら、他に異常がないか観察するようにしましょう。
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猫のあくびはいろんな意味をもつ
猫のあくびには生理的な現象のほか、気持ちの表現や気分の切り替え、さらには健康バロメーターとしてなど、様々な機能をもちます。
人間のように言葉を話さないぶん、あくびによってたくさんの事を飼い主さんに伝えているんですね。
たかがあくび。
されどあくび。
あくびに注目して、猫ちゃんともっとコミュニケーションがとれるようにしてみましょう。